自己防衛について

 今回は「自己防衛について」語ってみたいと思います。

 最近、「メル友」にかかわる犯罪が多く、マスコミでメル友=悪という感じで叩かれまくっています。ネットで知り合うこと自体に問題があるわけではないんですけどね。
 ただ、ネットによってこれまで、著名人など一部の特異の方々を除いては考えられなかった不特定多数の方と交流する機会が広がったのも事実です。
 一部の特異の方々はそこに至るまでの経験を通じて、不特定多数の方と交流するマナー・自己防衛が身についています。でも、ほとんどの方々はそういう経験がないですよね。それでもネットを利用することによって、いきなり不特定多数と交流する場に放り込まれるわけです。
 トラブルが生じても無理はないのではないでしょうか。

 

トラブルは絶対に嫌。楽しい思いだけをしたいというのは無理だと思います。トラブルを回避する方法は経験によって学んでいくことです。

ただ、あまりに無防備だと人生がめちゃくちゃになってしまうことも事実です。破滅願望がある方はともかく、そうでない方は経験者たちの経験談を学ぶことによって、トラブルを減らすように心がけた方がいいでしょう。
 多くの方が善意でホームページやメルマガなどにネチケット・自己防衛についての記事を載せています。それを読むことで少しはトラブルが減るのではないでしょうか。

メル友掲示板などを利用する時、一般的にはフォームがあって「ハンドルネーム・住んでいる都道府県・性別・年齢・趣味」などを載せます。さらにサイトによってはもっと細かい項目があります。プラス自分で文章を書く自己紹介があるというところですね。
 どこのサイトでも自己紹介に書いてはいけないものがあります。

詳しい個人情報。サイトによって基準が違いますが、どこでも共通しているのが「住所・電話番号」です。

 どうしていけないのか。すべての方が「いい人の状態である」とは限らないからです。

 人間、誰しも醜い部分やずるい部分を持っています。もちろん、いいところもたくさんあり、優しい心や正しいことをしようと思う気持ちが汚い部分を抑えられています。でも、自分が不幸である時、多くの不満をかかえている時、失うものがない時はその自制心が弱くなっていきます。

 最後の砦となるのが、自分がかわいい、自分を守りたいという気持ちです。これらが実際に犯罪行為を起こすのを抑えてくれます。警察があり、裁判所があり、刑務所があるのはそのためです。

 でも、もし自分が悪いことをしたとわからないと思ったら? 行動に移してしまうかもしれません。
 どういう状況だったらみつかりにくいか。自分と関係がわからない方です。普通は何らかの関係があって犯罪が起きます。刑事ドラマなどを見るとそうですよね。まず関係者から調べていきます。
 関係が見えにくいほど犯罪がわかりにくいわけです。通り魔殺人などがいい例ですね。でも、まったく知らない方に害意をもつ方は少ないです。

 ネットで交流がするうちに悪意をもたれることがあります。たとえ本人に悪気がなくても。でも、周囲はそのことを知りません。普段はともかく、相手の自制心が弱くなっている状態なら? 犯罪行為に出てしまうかもしれません。


 住所を知っていればその家の前で待っていればいつかは外に出てきます。跡をつけて人気のないところで犯行に移ることも可能です。そこまでいかなくても不快なものを送りつけたり、迷惑電話をかけつづけたりすることもありえます。

 勤務先を知っていれば勤務先に押しかけて騒ぐ、何度も迷惑電話をかけつづける、不快な郵便物を送りつけるなどで信用を落とすことも可能です。社会的地位がある方ほどダメージが大きいと思います。
 本人もダメージが大きいのですが、本人が自暴自棄になっている場合は抑えるものはありません。
(詳しくは一時話題になった「ストーカー」の本を読んでみてください。有名なところでは映画「危険な情事」などを見るのもいいかもしれません)

 メールアドレスは迷惑メールを大量に送りつけて、そのメールアドレスの機能を停止させるなどの被害が考えられます。自分で送らなくてもあちこちのサイトに女性名でちょっとかわいい・エッチな文章を書いて「恋人募集」で載せれば簡単にできてしまいます。

 写真などがあったらパソコンに取り込んで恋人募集サイトに掲載したり、もっと悪質になると加工して猥褻な写真にしてアダルトサイトに掲載したりということも考えられます。

 これらは公的機関で、完全に取り締まりきれていないのが現状です。

 最終的には犯罪行為を行った方は裁かれます。時効になった犯罪の方が大々的に報道される傾向にありますが、逮捕され、裁かれた数の方が圧倒的に多いわけです。(注1)
 でも、受けた被害は取り戻すことは出来ません。そうならないためにも自己防衛が必要になるわけです。

 ただ、自己防衛をするのは不便が伴います。提供する情報が多ければ多いほど、親しくなりやすいし、信用を得やすいのも事実です。どこの誰だかまったくわからない方より、どこどこに住んでいてどういう仕事をしていてという方が話もしやすいですからね。
 そこで「どこまで自分の情報を提供していいか」「それによってどういうメリット・デメリットがあるか」をまず考えてみることが大切です。
 
 私の場合ですとメールアドレスは変更してしまえば問題ないのでいいかと思っています。確かに変更するとなると、利用しているサービスすべての登録を変えたり、必要な方々に知らせたりと手間がかかります。(注2)
 でも、よく使われているWebアドレスはそのWebに接続する手間と費用がかかります。転送アドレスに登録するにはかなり詳しい個人情報を登録しなくてはならないことが多いです。
 住所・氏名・勤務先・収入など詳細な個人情報については、相手方をよほど信用していて、騙されてもいいと思うくらいでなければ登録するのを避けた方が無難です。
 これはあくまで個人的な意見ですが、大手ほど信頼できると思います。資質というよりも自己防衛のたががより強固になる分という意味で。(これが社会的信用というものの実態です)

 「メリット・デメリットをよく考えて、自己防衛の基準をつくりましょう」

 

(注1)

「嘘だ。野放しじゃないか」という方はとりあえず連絡してみましょう。ただ待っているだけでなく、自分で動くことも必要なのではないでしょうか。

 

 警察庁ホームページ

 http://www.npa.go.jp/ 

  ハイテク犯罪の項目のリンクで全国のハイテク被害相談ホームページにたどり着けます。

 

 警視庁ホームページ

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/ 

 各種相談窓口のページがあります。トップページにメールで連絡できる機能がありました。

 

(注2)

と言いつつ、無料アドレスを使っているあたりが小心者の本領発揮というところでしょうか。ホームページに載せるのと、メル友募集サイトでン百人もいる中で100文字くらいのプロフを載せるのは微妙に違いますので。閑古鳥サイトだったら全然オッケーですが、一応はそこそこのアクセスを期待していますので。

どこに載せるかによって選択するのも大切な心がけです。